「機動警察パトレイバー2 the Movie」&押井守の関連記事まとめ~日本アニメーション史上最高傑作にして最大の問題作を解題(TOKYO WAR)

平和、俺達が守るべき平和・・・。

だがこの国の、この街の平和とは一体何だ?

(劇中本編より)

日本アニメーション史上、最高傑作かつ最大の問題作であろう、鬼才押井守監督による1993年の劇場版アニメーション「機動警察パトレイバー2 the Movie」。

当ブログでも度々紹介しており、記事数も増えてきたので、今回、まとめを作成しました。パト2ファンもまだ未見の方も、お楽しみいただければ幸いです。

目次

解説篇

「機動警察パトレイバー2 the Movie」の時系列を追ってみる~「Tokyoクーデター」の解説と余談

パトレイバー2を観ていると、一気に世界観に引き込まれて、あっという間にエンディングですが、作中の時間経過は一体どうなっているんでしょう?

実は、●●日しか経過していないんです!

↑こちらの記事では、横浜ベイブリッジ爆撃から埋め立て地強襲までの時系列を追ってみました。

「機動警察パトレイバー2 the Movie」後藤と荒川の「戦争と平和」の問答を紐解く(全2回)

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パトレイバー2中盤で、後藤と荒川が交わす「戦争と平和」に関する問答。

アニメーション史上、類を見ないその一連の会話劇は、押井守の思想を知る上でも欠かせないものです。こちらの記事では、その問答を政治学的に読解してみました。

  1. 「機動警察パトレイバー2 the Movie」後藤と荒川の「戦争と平和」の問答を紐解く【前編】~血まみれの平和と言葉遊びの20世紀
  2. 「機動警察パトレイバー2 the Movie」後藤と荒川の「戦争と平和」の問答を紐解く【後編】~最高意思決定の段階では国家理性だけが存在する

考察篇

未だ、人気も衰えず、語り草になっているパトレイバー2。本作にはアニメーションとは思えない、深い思想的洞察が含まれています。

そんな奥深い本作の思想的背景を考察する記事のご紹介です。

「機動警察パトレイバー2 the Movie」の政治哲学的考察(全3回)

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パトレイバー2を政治哲学の視点から考察しました。

パトレイバー2には、押井守のライフワーク(呪い?)とも言うべき「戦後」という時代への復讐?(清算?)があるのではないか?という仮説に基づいて執筆しています。

なので、パトレイバー2に止まらず、「犬狼伝説」(ケルベロス)や「攻殻機動隊」に関しても論及しています。

全3回と、やや長いですが、お付き合いいただければ幸いです。

  1. 「機動警察パトレイバー2 the Movie」の政治哲学的考察 連載① ~押井守と「戦後」、前史としての『犬狼伝説』~
  2. 「機動警察パトレイバー2 the Movie」の政治哲学的考察 連載② ~「戦後」を終わらせる為の、たったひとつの冴えたやりかた~
  3. 「機動警察パトレイバー2 the Movie」の政治哲学的考察 連載③ ~「戦後」のその後~「日本」の退場あるいは解体としての「攻殻機動隊」「雷轟」

「機動警察パトレイバー2 the Movie」の元ネタ?『<ワードマップ>戦争~思想・歴史・想像力』~押井守×市田良彦の「戦争」

パトレイバー2、というか押井守の「戦争」観、その思想に大きな影響を与え、パトレイバー2の元ネタと囁かれている本があることをご存じですか?

社会思想史家の市田良彦(フランス現代思想)らによる『<ワードマップ>戦争~思想・歴史・想像力』です。既に入手困難となっている本書を、ご紹介した記事がこちらです↓

押井守×宮崎駿「機動警察パトレイバー2 the Movie」対談~噛み合わない2人の「戦後」と「戦争」

押井守と宮崎駿(スタジオジブリ)といえば、子弟関係なのか仇同士なのか、よくわからない関係が話題(?)になりますが、そんな二人が、パトレイバー2公開当時に誌上対談を行っていたのをご存じでしょうか?

30年前の対談を振り返ってみる記事がこちらです↓

現実とのリンク

「パトレイバー2」と新型コロナウイルス禍~押井守は先見性を持っていたのか?

パトレイバー2の「リアリティ」は、現代日本で起こる様々な「歪み」を、的確に表現している点にあります。

2020年の新型コロナウイルス禍でも、多くのネットユーザーなどが、パトレイバー2と日本の政治状況・社会情勢の近似・連関を見出しました。

それは果たして、その通りなのか?

「機動警察パトレイバー2theMovie」4DXの感想~君はTOKYOウォーズの当事者となる

こちらは、2021年に公開されたパトレイバー2の4DX版の鑑賞リポートです。

狙ったように2月の公開(!)。シミュレーションが現実を浸食します。

前日譚

劇場版「機動警察パトレイバー the Movie」(1989年)の考察・解説~東京は美しく死ななければならない

パトレイバー2は、押井守による劇場版パトレイバーの第二作です。前作(パト1)も押井守が監督していますが、こちらも傑作の呼び声が高い作品となっています。

しかし、パト2がポリティカル・フィクションなのに対し、パト1はポリス・アクションとして性格を異にしているとされています。

ですが両作品には、通底する「思想」があると考えています。こちらは、その考察です。

機動警察パトレイバー旧OVA「二課の一番長い日」解説・考察(全2回)

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押井守は、パトレイバー2以前にも、自衛隊のクーデターをテーマにした作品を制作していました。それが「二課の一番長い日」です。

こちらの記事では、エドワード・ルトワックの『クーデター入門』を参考に読み解いていきます。

  1. 機動警察パトレイバー旧OVA「二課の一番長い日」解説・考察【前編】~自衛隊クーデターのリアリティ(押井守)
  2. 機動警察パトレイバー旧OVA「二課の一番長い日」解説・考察【後編】~自衛隊クーデターの幻想(押井守)

劇場版「機動警察パトレイバー the Movie」4DXの感想~君は「風速40メートル」を体感したか?

こちらは、2020年に公開された4DX版の鑑賞リポートです!

濡れる!寒い!

関連作品

押井守とパトレイバー2の魅力を語ると、話が尽きません。以下、パトレイバー2や押井守に関して、参考になるであろう関連記事群をご紹介します。

山田正紀『三人の「馬」』(旧題『虚栄の都市』)読後雑感~後の「機動警察パトレイバー2 the Movie」にも影響を与えた首都襲撃シミュレーション小説

押井守が大きな影響を受けたSF作家に山田正紀がいます。

その山田が「東京都心部をテロリスト(コマンドウ)が襲撃したら」という想定で描いたポリティカル・スリラーが、『虚栄の都市』(後に『三人の「馬」』に改題)です。

東京が「戦場」になり、治安出動を巡って、警察と自衛隊の対立、鍔迫り合いが演じられるという、パトレイバー2に通じる設定の本作をご紹介します。

押井守×おおのやすゆき『西武新宿戦線異状なし』~永遠の「少年」たちの革命ごっこ

押井守原作のミリタリーコミックです。

自衛隊のクーデターにより、東京に臨時革命政府が樹立された分断国家ニッポンを舞台にした、冒険?活劇。

今敏×押井守『セラフィム~ 2億6661万3336の翼』~パンデミックによる終末を描いた傑作

押井守原作の未完の漫画作品です。傑作の予感しかしない!押井守ファン必見です。

フィクションにおける「自衛隊」イメージの変遷【前編】~「皇帝のいない八月」から「ガメラ2」まで

こちらの記事では、90年代の「自衛隊」像をご紹介していますが、パトレイバー2も入っています。キーワードは「政治的に無色」。

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