F.Harry
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当サイトの管理人です。ギリシャ哲学を愛し、政治哲学を専攻しました。好きな言葉は「焚書は序章に過ぎない。本を焼く者は、やがて人も焼く。」(ハインリッヒ・ハイネ)本や映画・コラムなど気の向くままに紹介していきます。

  • 2024年11月30日
  • 2024年12月4日

映画「シビル・ウォー/アメリカ最後の日」(感想・考察)~たとえ内戦を覚悟しても、シーザーは討たれなければならない

(監督アレックス・ガーランド/2023年、米英合作) 内戦には独特の陰惨さがある。それは骨肉間の闘争(Bruderkrieg)である。蓋し敵をも包摂する共通の政治単位内の闘争であり、両陣営ともに共通の統一体に対し同時に絶対的肯定と絶対的否定をもって臨 […]

  • 2024年9月22日
  • 2024年9月22日

こんな地球侵略もありだよね~キース・トーマス『ダリア・ミッチェル博士の発見と異変』【SF感想】

ちょっと面白い手法の地球侵略モノを読みました。 キース・トーマス『ダリア・ミッチェル博士の発見と異変』です。 副題は「世界から数十億人が消えた日」です。なかなか不穏で、興味をそそられますね。 あらすじ カリフォルニア大学の女性天文学者ダリア・ミッチェ […]

  • 2024年9月20日
  • 2024年9月20日

ドキュメンタリー「米議会襲撃が再び起きたら シミュレーション 緊迫の6時間」を観ての若干の考察・雑感(NHK)~反乱法か、米国内戦か

政治は物理的強制を最後的な保証としているが、物理的強制はいわば政治の切札で、切札を度々出すようになってはその政治はもうおしまいである。 丸山真男『政治の世界』岩波書店、2014年、54頁。 先日、NHKで海外ドキュメンタリー「米議会襲撃が再び起きたら […]

  • 2024年7月24日
  • 2024年7月27日

3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」(1982年放送)での自衛隊批判を巡って【後編】~金八先生に贈る「戦後民主主義の特別授業」

★【前編】はこちら 「マスケット銃が歩兵を生み、歩兵が民主主義を生んだ」 J・F・C・フラー では、仮に弥一が反論できたとして(又は北先生が既に赴任していたとして)、どんな議論が行われたならば、戦争のメカニズム、真の「平和」への道を説くこと事が可能な […]

  • 2024年7月24日
  • 2024年11月17日

3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」(1982年放送)での自衛隊批判を巡って【前編】~桜中学の先生方に贈る「政治学の特別授業」

いかなる政府もトマス・ホッブズが『リヴァイアサン』で展開した国家統治の問題を内包することなしには、存立さえできないことを、人びとはしたたかに思い知るべきであった。そこを通過しないで、一国民の政治的成熟が得られるであろうか。 磯田光一『戦後史の空間』新 […]

  • 2024年7月2日
  • 2024年7月2日

ミヒャエル・エンデ『モモ』とプラトン哲学~経済の専制と哲学の抵抗

「人、たとえ全世界を手に入れても、己(おの)が魂を失えば、何の得があろうか」 マタイ伝16章26節 ミヒャエル・エンデの『モモ』。 言わずと知れた児童文学の傑作ですが、本書を読んでいると、プラトン哲学との強い親和性を見出すことができます。 今回は、『 […]

  • 2024年6月28日
  • 2024年6月28日

【短い考察】映画「キャビン」~こんな秘密組織で世界が救えるわけね―じゃん(ネルフを見習え)

2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲来』白水社 […]

  • 2024年6月21日
  • 2024年6月21日

書店とカフェは、本当に相性がいいのか?~神保町2024年春

深い読みの習慣-「その静けさは意味の一部。精神の一部」―は、衰退し、縮小しつつある少数の知的エリートの領分となるだろうことは間違いない。 ニコラス・G・カー『ネット・バカ』青土社、2010年、154頁。 先日(と言っても3ヶ月くらい前ですが)、神保町 […]

  • 2024年4月18日
  • 2024年4月18日

【感想・考察】映画「ピクニックatハンギング・ロック」~官能と美に彩られたミステリー映画の傑作

1975年(豪)、ピーター・ウィーアー監督 「事件が曖昧なのはいい兆候なんだ。もし、何もかもが一目瞭然だったら―そう、疑ってかかったほうがいい!誰かがそう見えるように細工したということだからね」 アガサ・クリスティー「ミスタ・ダヴンハイムの失踪」より […]

  • 2024年4月4日
  • 2024年4月23日

【感想・考察】小松左京『お召し』~巧みな伏線回収が光る隠れた傑作SF短編

「何人もによって書かれたものかね?」 「そうらしいです。―この、一番最初にのっているものは、一番筋が通っていて、内容は一番ショッキングです」 小松左京「お召し」より※1 あらすじ 長官の執務室に入ってきた調査官が携えていたのは、古代遺跡から発見された […]