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アテナイの午睡

映画・本・ディープスポット・社会問題など知的探求への誘い

  • 2024年9月22日
  • 2024年9月22日

こんな地球侵略もありだよね~キース・トーマス『ダリア・ミッチェル博士の発見と異変』【SF感想】

ちょっと面白い手法の地球侵略モノを読みました。 キース・トーマス『ダリア・ミッチェル博士の発見と異変』です。 副題は「世界から数十億人が消えた日」です。なかなか不穏で、興味をそそられますね。 あらすじ カリフォルニア大学の女性天文学者ダリア・ミッチェ […]

  • 2024年9月20日
  • 2024年9月20日

ドキュメンタリー「米議会襲撃が再び起きたら シミュレーション 緊迫の6時間」を観ての若干の考察・雑感(NHK)~反乱法か、米国内戦か

政治は物理的強制を最後的な保証としているが、物理的強制はいわば政治の切札で、切札を度々出すようになってはその政治はもうおしまいである。 丸山真男『政治の世界』岩波書店、2014年、54頁。 先日、NHKで海外ドキュメンタリー「米議会襲撃が再び起きたら […]

  • 2024年7月24日
  • 2024年7月27日

3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」(1982年放送)での自衛隊批判を巡って【後編】~金八先生に贈る「戦後民主主義の特別授業」

★【前編】はこちら 「マスケット銃が歩兵を生み、歩兵が民主主義を生んだ」 J・F・C・フラー では、仮に弥一が反論できたとして(又は北先生が既に赴任していたとして)、どんな議論が行われたならば、戦争のメカニズム、真の「平和」への道を説くこと事が可能な […]

  • 2024年7月24日
  • 2024年8月23日

3年B組金八先生スペシャル「贈る言葉」(1982年放送)での自衛隊批判を巡って【前編】~桜中学の先生方に贈る「政治学の特別授業」

いかなる政府もトマス・ホッブズが『リヴァイアサン』で展開した国家統治の問題を内包することなしには、存立さえできないことを、人びとはしたたかに思い知るべきであった。そこを通過しないで、一国民の政治的成熟が得られるであろうか。 磯田光一『戦後史の空間』新 […]

  • 2024年7月2日
  • 2024年7月2日

ミヒャエル・エンデ『モモ』とプラトン哲学~経済の専制と哲学の抵抗

「人、たとえ全世界を手に入れても、己(おの)が魂を失えば、何の得があろうか」 マタイ伝16章26節 ミヒャエル・エンデの『モモ』。 言わずと知れた児童文学の傑作ですが、本書を読んでいると、プラトン哲学との強い親和性を見出すことができます。 今回は、『 […]

  • 2024年6月28日
  • 2024年6月28日

【短い考察】映画「キャビン」~こんな秘密組織で世界が救えるわけね―じゃん(ネルフを見習え)

2012年、米 バイオハザード・シリーズに出てくるアンブレラ社は、ゾンビの基本原則の中でも抜きん出た企業の無能さを晒している。この多国籍企業の政治力が明白なものである一方で、その組織 としての能力は非常に疑わしい。 D・ドレズナー『ゾンビ襲来』白水社 […]

  • 2024年6月21日
  • 2024年6月21日

書店とカフェは、本当に相性がいいのか?~神保町2024年春

深い読みの習慣-「その静けさは意味の一部。精神の一部」―は、衰退し、縮小しつつある少数の知的エリートの領分となるだろうことは間違いない。 ニコラス・G・カー『ネット・バカ』青土社、2010年、154頁。 先日(と言っても3ヶ月くらい前ですが)、神保町 […]

  • 2024年4月18日
  • 2024年4月18日

【感想・考察】映画「ピクニックatハンギング・ロック」~官能と美に彩られたミステリー映画の傑作

1975年(豪)、ピーター・ウィーアー監督 「事件が曖昧なのはいい兆候なんだ。もし、何もかもが一目瞭然だったら―そう、疑ってかかったほうがいい!誰かがそう見えるように細工したということだからね」 アガサ・クリスティー「ミスタ・ダヴンハイムの失踪」より […]

  • 2024年4月4日
  • 2024年4月23日

【感想・考察】小松左京『お召し』~巧みな伏線回収が光る隠れた傑作SF短編

「何人もによって書かれたものかね?」 「そうらしいです。―この、一番最初にのっているものは、一番筋が通っていて、内容は一番ショッキングです」 小松左京「お召し」より※1 あらすじ 長官の執務室に入ってきた調査官が携えていたのは、古代遺跡から発見された […]

  • 2023年11月26日
  • 2024年2月17日

【考察?】映画「翔んで埼玉」の政治学的考察(笑)~日本政府不在の謎(極東のアパルトヘイトの深層)

“地方”の“東京”への“恥”の意識を好ましくないものと考える人も多いであろう。だが“地方”は“東京”にたいして“恥”の意識をもつことにおいてはじめて“地方”を自覚し、“東京”は“地方”を否定することにおいてしか“東京”であることはできなかった。このデ […]