警視庁本部見学ツアーレポート~事件は現場ではなく本部で起こっている~

「桜田門」と聞いて、何をイメージしますか?

江戸城の門のひとつ。ではあるんですが、こっちのイメージの方が強い気がしますね。

そう、みんな大好き(?)警視庁!

桜田門を出てすぐに聳え立つ白いビル。

MPD-building

ニュースや刑事ドラマではお馴染みの建物です。

そんな警視庁、実は一般人でも入れるんですよ!(逮捕じゃないよ!)

「警視庁」って、何

「すごーい!警視庁入れるんだって!日本警察の総本山でしょ?」

うーん、この手の誤解はなかなか無くなりませんね。

本題に入る前に、予備知識編。

ぶっちゃけ、「警視庁」って何?

まず、「警視庁」は、日本警察全体の役所ではありません。

それは、警視庁の隣に居を構える「警察庁」の役割。

National Police Agency

対して、警視庁は東京都の組織です。その管轄は東京都内に限定されます。

これは他の道府県警察と全く同じ。

なので「東京都警察」(都警)なら話は早かったんですが、明治以来の歴史的・伝統的に首都警察として「警視庁」の名を受けついでいます。

(日本では、海外の首都警察を「警視庁」の名で訳しています。「パリ警視庁」「ロンドン警視庁」)

なので、他の道府県警察と立場は同じなんですが・・・・。

ぶっちゃけ、警視庁はやっぱり別格。

まず人員規模が桁違い。

警視庁は約43500人の警察官がいます。

しかし、そもそも日本の全警察官はおよそ29万人。

故に断トツの警察官数1位!

2位の大阪府警は約23000人で、大きく水をあけられる。

ここまで人員規模が大きければ、他の道府県で何かあれば、当然応援に派遣される。

例えば、災害や大規模警備・暴動鎮圧の中核になる機動隊は、他の道府県警だと1~2個機動隊程度(50~200名)しか持っていないところ、警視庁は10個機動隊で約3000名以上(!)。

ちなみに大阪府警は3個機動隊1200名・・・。さらに比較すれば、熊本県警や鹿児島県警は県警の全警察官の数が3000人程度・・・。桁違いですね。

riot police

また、東京都警察本部長たる警視総監は、警察全体の階級では最高位かつ1人しかいない。

(警察庁長官の方が警視総監より高位ですが、階級ではない)

その任命も、他の道府県警察本部長が国家公安委員会と道府県公安員会によって任免されるのに対して、警視総監だけは内閣総理大臣の承認が必要という別格の扱い。

NPA building

手前が警視庁、奥が警察庁(総務省と同居。旧内務省系ですね)

いよいよ警視庁見学!撮影は厳禁!

さてさて、ざっと警視庁についてお話したところで、いよいよ、庁舎見学に移りましょう。

事前に電話予約し、当日に警視庁前に集合になります。

警視庁のホームページに詳細は書かれていますし、決して凡雑な手続きを必要とする訳ではありません。電話で予約可能です(少人数の場合)。

in front of MPD

玄関前の車寄せでは、なにやら要人?の出発も。

guests

ちなみに、玄関前の白いポールは、電動で昇降する車止め。テロリストなどが車で突っ込んでくると・・・

こうなります・・・。

さて、時間になるとガイドのお姉さん(警察職員ね)が、迎えに来てくれます。

ゾロゾロと庁舎にいざ突入。

ツアー参加者の半分は、小学生くらいの子供でした。

で、ガイドさんからご注意。

庁舎内は一部を除いて、撮影厳禁。厳しい・・・。

警視庁教室&警察参考室

我々が、まず案内されたのが、ふれあいひろば警視庁教室。

階段状の視聴覚室で、警視庁を紹介する広報ビデオを見ます。

次に、訪れるのが、警察参考室。

ここには、過去の制服や重大事件の関連の品が陳列されています(写真不可!)

西南戦争や大久保利通暗殺、あさま山荘事件etc.

唯一、巨大なピーポ君と白バイが撮影OK・・・

Mr.PePo

ちなみにピーポ君の名前の由来は、サイレンの音ではなく・・・(この後に出てきます)。

事件は通信指令本部で起こっている!

さあ、本日一番の目玉!

通信指令本部の見学です!

ここはまさに警察活動の初動の要。

中枢です。

東京23区から入電(発信)する110番通報を受理(受付け)する場所です。

本部庁舎4階にあり、5階まで吹き抜けの740平方メートルの巨大な空間(学校の体育館のイメージ)。

正面には巨大なスクリーンがあり、23区の地図やカメラ映像、110番の入電状況が映されている。

モニターに向かって、110番受理台のゾーン、無線指令台のゾーンなどのデスク・コンソールが整然と並んで、映画で見るような「司令部」のイメージ。

我々、見学者は5階の見学ブースからガラス越しに、それを見下ろす形になります。

ちょうど真下が110番受理台のゾーンで、5~6卓が実際にオペレーターの警察官が座り、110番を受け稼働中。

受理台には緑と赤のランプが設置されていて、緑が110番を受理中。

「はい、110番警視庁です。事件ですか?事故ですか?」の第一声で始まるアレです。

赤に変わると、重大な事件の通報の可能性。

我々が見学していた時も赤ランプの受理台がありました。

緑は常時点灯状態で、通報の多さがわかります。

1日に3000件を超える110番通報をここで処理しています(いたずらや間違い、緊急性のない相談なども多く、困っているようです)。

この通信指令本部は、23区内のパトカーのリアルタイムの位置を把握しており(カーロケーションシステム)、通報先にパトカー、あるいは交番や警察署の警察官を急行させる指示を出していきます。

Patrol car

110番通報があってから、最初の警察官が現場に到着するレスポンスタイムは7分前後だそうです。

まさに、緊迫の「現場」を防音ガラス越しに見ることになり、貴重な体験です。

ちなみに、23区外の110番通報は、立川広域防災基地(「シン・ゴジラ」のあそこです)内にある警視庁多摩総合庁舎内の通信指令本部多摩分室(多摩通信指令本部)が担当しています。

かわいいお土産も!

ピーポくんやパトカーのかわいいオリジナルシールもいただきました。

MPD sticker

お子さんへのお土産は、袋が別でしたので、またちょっと別のようでした。

なお、ピーポくんの由来ですが、「ピープル」(人々)と「ポリス」(警察)の頭文字からとっているそうです。

おわりに

いかがだったでしょうか?

ドラマや小説の舞台としてお馴染みの警視庁。

(見学コースにはありませんが、知名度ナンバー1の「捜査一課」は6階フロアにあるそうです。)

見学の所要時間は約1時間15分。

そのリアルな本庁舎を見学してみると、その見方も変わってくるかもしれませんよ。

※当記事は管理人の体験レポートですので、実際の見学等詳細は警視庁ホームページをご覧下さい。

また現在は、見学コース等が変更されている場合もございますので、あらかじめご了承下さい。