• 2021年2月4日
  • 2021年11月23日

渡辺一史『北の無人駅から』読後雑感~“試される大地・北海道”、本当に試されているのは誰なのか?

これら無人駅の物語を通して、私は自分の足元にある「北海道」を確かめたいと思ったし、そこから透けて見える「日本」そのものを見つめなおしたいと思うようになっていた。 渡辺一史『北の無人駅から』北海道新聞社、2012年、9頁(はじめに) この本を、全く何の […]

  • 2021年1月9日
  • 2021年9月27日

「重たい」絵本・児童文学たち~社会、戦争、文明、正義、死を考えるための6選【小学校高学年】(読書感想文)

今回は、小学校の高学年くらいのお子さんを想定して選書した児童書(児童文学・絵本)を御紹介します。 いずれも、その背景にある思想は、子どもたちが深く考えうるきっかけになるものばかりと思います。但し、内容は正直「重たい」です。 特に、国語や社会科の好きな […]

  • 2021年1月6日
  • 2021年1月6日

戦後史の闇を描いた未完の傑作『オクタゴニアン』~昭和天皇と愉快?な仲間たち

「時の権力に担がれなければ、天皇家に何の価値があると云うのです。」 「価値がなければ滅びればいい。決めるのは歴史だ。」 大塚英志/杉浦守『オクタゴニアン』(1)角川書店、2005年、184頁。 前回、「もうひとつの戦後史」としての日本分断小説を紹介し […]

  • 2020年12月27日
  • 2020年12月27日

日本が分断国家となったifの戦後史~佐藤大輔『征途』&矢作俊彦『あ・じゃ・ぱん!』

あの戦争で、もし、日本がドイツや朝鮮半島のように「分断」されたらどうなっていたか? 小説家や歴史家にとって、とても魅力的な題材であるifの世界、歴史(オルタネート)改変(ヒストリー)小説。 今回は、そんな「日本分断」の戦後史を描いた二大巨匠の作品をご […]

  • 2020年12月25日
  • 2022年11月12日

機動戦士ガンダム『一年戦争全史』~虚構とリアリティへの執念

筆者は歴史学者として問いたい。地球連邦に国家元首がいるとすれば、それは何者であるかと。その職名、個人名いずれもが、あらゆる文献から排除されていることは、いったい何を意味するのかということを、研究生命を賭して問うものである。 『機動戦士ガンダム 一年戦 […]

  • 2020年12月23日
  • 2020年12月23日

小林恭二『ゼウスガーデン衰亡史』~巨大資本は国民国家を解体するか?

【あらすじ】 後に日本国の独立をも脅かす存在となる『ゼウスガーデン』の前身『下高井戸オリンピック遊技場』が産声をあげたのは一九八四年九月一日のことである。 小林恭二『ゼウスガーデン衰亡史』福武書店、1991年、4頁。 場末の遊園地が、双子の天才によっ […]

  • 2020年12月19日
  • 2020年12月19日

映画「史上最大の作戦」~「秋の日の ヴィオロンの ため息の・・・」

「この戦いの勝敗は、最初の24時間で決することになるだろう。その日は連合軍にとっても、また、我々にとっても、長い一日になるだろう。長い一日と。」 ドイツB軍集団司令官エルヴィン・ロンメル元帥 【あらすじ】 1944年6月。連合軍は、英本土でヨーロッパ […]

  • 2020年12月15日
  • 2021年4月28日

部隊名の「伝統」と自衛隊~陸上自衛隊の部隊改編を考える

昨今、部隊改編が著しい自衛隊ですが、その動きを見ていると、若干、違和感を覚えることがあります。特に陸上自衛隊に顕著です。 それは、部隊改編に際して、部隊名の「伝統」とか「継承」といったことを余り重視していないように見受けられる点です。 今はなき精鋭連 […]

  • 2020年12月5日
  • 2021年4月28日

映画「首都消失」~それでも愛すべき80年代SF映画

「新宿!新宿御苑!!」 (本編より:EP-3E機内の朝倉) 【あらすじ】 突如、何の前兆もなく、高さ2キロ、半径30キロに及ぶ巨大な「雲」に首都東京は覆われる。 「雲」は、一切の通信・交通を遮断し、何人も寄せ付けない。首都圏2000万人の住民の安否も […]