実に三年ぶりに、神田古本まつりが開催されました。涙が出るくらい嬉しかったのですが、久しぶりに行くと、色々思うところもあり。
今回は、そんな雑感を書いています。
「これから神保町古書店街に行くんだ!」という方は、2019年の下記の記事をご覧ください。
→神田古本まつり(神保町)見どころと2019年日程&必勝法!(古書店街)
優しい世界?
コロナ禍で世相が一変しましたが、ここ神保町古書店街も例外ではありませんでした。
やはり「休業」と「閉業」が。
餃子の「スヰートポーヅ」、岩波ホール、三省堂書店本店・・・
駿河台下交差点からの風景も変わりました。
「いやぁー、三省堂も無くなって寂しくなったね」
「ねえ~」
と、相方と話しながら横断歩道を渡っていると、
「ちょっと、すいません」
突然、見ず知らずの男性から声をかけられました。
え、何?ナンパ?それとも勧誘か?
「つい盗み聞きをしてしまいまして、三省堂は閉店していませんよ」
ご親切にも、仮店舗(小川町方面に徒歩5分)の存在を教えてくれたのです。
(いや、知ってるし)
というのはおくびにも出さずに、笑顔で「あ、そうなんですか?ありがとうございます!」と満面の笑みでお礼。
優しい世界ですね。
だが、しかし
一見さんお断り?
みんなに優しい神保町、という訳には問屋が卸しません。
神田古本まつりに行くなら、やはり、神保町ブックフェスティバルを同時に楽しめる最初の土日がいいですよね。今年だと、10/29㈯と30㈰の両日でした。
「はじめての神保町!せっかく来たんだし、ガイドブックでも紹介されている有名店でランチにしよう!」
と考えている人も多いかと思いますが、そこが意外な落とし穴。
土曜日はともかく。日曜日に、いざ、お店を訪ねてみると、驚くほど、休業のお店が多いのです。神保町は大勢の買い物客で賑わっている、それこそ書き入れ時な筈なのに、商売っ気がないなぁなんて、思っちゃいますよね。
神保町は、日曜日は休みという暗黙のルール(?)がありまして、例え神田古本まつりでも、それを曲げない職人気質が遺る街です。
11/30(日)にランチをしようと、廻ってみただけで、
- 神田 天丼家(旧いもや神田一丁目店)
- 共栄堂スマトラカレー
- 伊峡(ラーメン)
- キッチン南海
いずれもお休み。
選択肢は狭まり、結局、若い時分はよく行った「カロリー」に腰を落ち着けることになりました。
まあ、相変わらず、懐かしのボリューム。相方は、食べきれませんでしたね。女性の方はご注意ください。
まあ、ともかく、「祭りだから、どこだって開店しているだろう」という推測で計画を立てるのは、この街では危険です。
おまけに、いわゆる老舗名店であればあるほど、ホームページやSNSなんて洒落たものは、やっていないので、事前の情報収集にも限界があるという、それが神保町です。
一見さん、初心者をいくつもの試練が待っています。
テレビなどでよく取り上げられる様々な有名店も、大体、愛想は良くありません。代官山のショップみたいに、店員さんと少し気の利いた会話を試みようとすると、大概ATフィールド全開で撃沈されます。
まあ、一種の街の気風みたいなものですね。
ちなみに、神保町ブックフェスティバルの隠れたお楽しみは、ウォーリーを探せ!、ではなく京極夏彦を探せ!です。
とは言っても、普通に、妖怪、魑魅魍魎を扱う露店「お化け友の会」のブースの軒先に座ってらっしゃるので、すぐに分かると思います。
コロナ禍で、いらっしゃるかな?と思いましたは、いつもの貫禄で鎮座されていて安心いたしました。
神保町めぐりは平日にこそ醍醐味があり
神田古本まつりは、その活気やイベント、セール、掘り出し物探索・・・と、楽しい時間、体験なのですが、やはり、それは「例外」に属します。
古書店好きの皆さんには、それぞれ、定期巡回のコースがあるはずです。
ところが、古本まつりは、この予定調和が完全に崩壊します。
どこもかしこも密密・・・。まあ、進めません。
ゆったり眺めている余裕がない (笑)
そもそも神保町は「平日の街」なので、神保町めぐりは、平日にこそ、その醍醐味があります。
・・・なので、三年ぶりの古本まつりは、とにかく疲れました・・・、はい。