東京・丸の内とアリストテレス。
一見、この何も関係なさそうな両者が出会う場所があります。
東京駅前、旧東京中央郵便局「KITTE」2階3階。
それが、「インターメディアテク」。
しばし、演繹の世界を離れて(笑)、帰納の世界を見に行きたいと想います。
ずばり、アリストテレスの世界。
アリストテレスの世界
アリストテレスといえば、万学の祖と呼ばれ、師プラトンと並ぶ人類史に輝く哲学者ですが、その両者の学問的方法は対極にあります。
プラトンが数学的、つまり演繹法的な世界観なのに対して、アリストテレスのそれは生物学的、帰納法的な世界観です。
現実の環境や動植物(経験事物)を観察・実験し、普遍を導き出そうとする試みです。
この事物の収集と分類と言うのは、「博物学」につながります。
驚異の部屋
博物学の歴史の中で、15世紀から17世紀の欧州に「驚異の部屋」(ヴンダー・カンマー)というものが現れます。
古今東西のあらゆる珍品・希少品などを収集・展示したコレクションの部屋です。
これが学問的に発展・洗練されて、現代の博物館・美術館といった存在に昇華していくようですが、ここ「インターメディアテク」は、現代の「驚異の部屋」といった趣があります。
クラシックな作りの館内には、様々な動植物の剥製・標本などが、ところ狭しと、展示・陳列されています。
産業革命前後の時代にタイムスリップしたかのようです。
子供の知的好奇心を大いにくすぐる
特に、骨格標本はそのスケールに圧倒されます。
クジラの骨格標本は圧巻でしたし、2階3階の吹き抜けを這うように展示されているワニの骨格標本にはどこか不気味さを感じました。
馬の骨格標本は、今にも動き出しそうな躍動感があります。
夏休みなどを利用して、お子さんを連れて行けば、理科・自然科学への好奇心への入り口となると間違いなしです(なんと入館無料)。
私が連れて行った子供の館内を見た第一声は、
「これ、みんな死んでいるの?」
でした(笑)。