銀座のキャバレー白いばらが閉店・・・昭和の226事件の逸話も!~現代の竜宮城~

日本最古のキャバレー since1931

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銀座三丁目にあったキャバレー「白いばら」をご存じですか?

いえいえ、ナチスドイツ抵抗運動の白いバラのことではありません。

(当ブログにご興味のある方だとそっちの話と思いますよね 汗)

1931年から2018年まで、実に87年に渡って営業していたキャバレーです。

・・・て、2018年って、つい最近ですね。

実は管理人、ここの常連でした。

まさか閉店するとは青天の霹靂、閉店発表の当日は茫然自失だった覚えがあります。

オイルショックもバブルの土地開発も平成大不況も生き残り、潰れるとしたら首都直下型地震くらいじゃねえ?と思っていましたから・・・

どんなところ?

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なんせ創業87年でしたから、逸話の宝庫です。

有名なのは226事件の前夜に青年将校が来店して、翌朝の新聞を見ろ、といったという話。

その時の席にも座ったことがあります(2階)。

内装は赤を基調とした、「ザ・昭和」感満載。

1階、2階が客席で、300名以上の客が着席できたとも。

ホステスさんも100名は優に超えてましたね。

「キャバレーって、キャバクラと何が違うの?」

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ホステスさんが隣に座って接客してくれるスタイルは同じですが、あとは全然違います!

店内は1階と2階は吹き抜けになっていて、中2階にステージがあります。

ステージには歌い手さんがいて、生バンドの演奏つきで歌っています。

このステージ。20時と22時になると、1階まで階段がかけられて、ダンスショーが始まります。

ここがキャバレーの特徴でしょう。

専属のダンサー達が、1階ホールとステージで、派手に(時に妖艶に)踊りまくります。

そうですねぇ、宝塚をもっとセクシーにした感じですかね。

このダンスショーが終わると、チークタイムの時間です!

お気にいりのホステスさんと1階ホールでチークが踊れちゃう!(但しOKもらえればね)

あ、ちなみにイベントのない時間帯なら、生バンドの演奏でカラオケもできます(ステージに上って、皆さんの前で)。

僕は勇気がありませんでしたが(笑)

また、参加型イベントが多数あり、毎夜行われるイントロクイズは勿論、季節によっての催しものも多彩で、射的大会、ミスコンは序の口で、トイレットペーパー早巻き選手権、盆踊り、果ては疑似結婚式(なんじゃそりゃ)まで、遊び心に溢れていました。

個人的には毎年秋のキャバレー文化祭が大好きでした。

男性店員もホステスも全員仮装。

スチュワーデスやナース、ミニスカポリスなんて序の口で、クレオパトラ、セーラームーン(これ男性がやってました)、カードキャプターさくらまで。

まあー守備範囲の広いこと広いこと・・・。

ホステスさんって、どんな人?

recruit

実は、昼間は普通の仕事をしているアルバイトの女の子が大半なんです!

でないと、100名を超える乙姫ホステスさんは維持できませんよねー。

だから女子大生、OL、ショップ店員、保育士、受付嬢、教師etc.・・・多彩な職業のホステスさんがいました。さらに、キャバクラと違い、ノルマがないので「ザ・接客」「ザ・営業」みたいな攻めの接客が無いのでお互いに気楽です。

ドレスアップはしているんですが、ごくごく普通の女の子たちと楽しくお酒を呑んでいる雰囲気ですね。

map of Japan

また、ここの特徴で、名札に出身の都道府県が記載されており、そこから話が盛り上がることも(なんと都道府県での指名もできます)。

キャッチフレーズが「あなたの郷里の娘を呼んでやって下さい」ですからね。

まあ、実際は関東出身者が多くなってしまうんですが。

でもお高いんでしょう?

これが白いばらのすごいところ。

card

最安値、最長滞在時間は、18時から21時の3時間で、指名なし。キープボトルが入っていれば、なんと8500円!1万切っちゃうですよ!社長!

こんな金額あるんかい・・・。

更に更に、5名以上なら、事前予約で、飲み放題+寿司+からあげ+おつまみ+本指名5名付き(!)で2時間45分11900円の宴会コースもあった!!

なんやもう、深夜の通販番組の超お買い得商品みたいや・・・。

白いばら驚いたことベスト5

住み込みの従業員がいる

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読んで字の通り。でも、本当にすごいのは、別に寮とかじゃなくて、店内のソファーに寝るそうです!!(女子トイレにシャワーがあると聞いた・・・)

おねだり禁止

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これ小さいですが男性陣にとっては死活的に重要では(笑)。

おねだり(悪魔の台詞「私も何か頼んでいいですか~?」)を基本的に禁止していますので、お客さんのボトルを一緒に飲むことになります。

水着で騎馬戦

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文化祭で一番度肝を抜かれた催し。

「水着で騎馬戦」。

ホステスさん同士がビキニの水着で、お客さん有志を馬にして、騎馬戦をやります・・・。

お客さんとホステスの年齢(上限の方)

30代の客なんて超若手。20代なんて希少動物。

60以上の大先輩たちがたくさんいます。

中には80代じゃないか?みたいな方も(男性従業員に支えられて歩かれてました)。

それに対応して、キャバクラやクラブではありえない50代のお姉さんも。

結構、芸能人も来ていた

客席にちらほら見かけることがありました。

店内、脱帽がルールなんですが、たまにOKの人がいて・・・。

あ、あと声でわかりますね。

テレビで聞いたことある声そのままですから(笑)

昭和の文化が生んだ「大箱」

そんな白いばらも、既に過去のものとなりました。

100人単位のお客さんが来店し、100人単位のホステスが接客する。

こんな大箱の店舗はもう現れない気がします。

この「大箱」というスタイルというかスケールが昭和を物語っているのかもしれません。

人口も増大、産業も重厚長大、1億総中産階級、すべての消費産業のスケールが大きかった。

逆に言えば画一的でした。

メディアなんかもテレビと新聞が占有。

しかし、平成と共に経済は停滞期に入り、同時にメディアの細分化が進み、嗜好も多様化する。

そうすると「大箱」的なスケールのものは、やはり昭和という時代に合致したスタイルだったのか。

と、郷愁と共に考える次第です。

白いばらの元店長が書いた本もあります。