神保町で本を愛でる同志の方々の、憩いの場をご紹介します。
東京と境界線
東京が特にだと感じるのですが、大きな道路を隔てると、街の空気というか気質が一変することがあります。
東京のように、いくつも違った貌を見(魅)せる「街」を抱える大都市にとって、道はそんな境界線の役割を果たしているように感じられます。
千代田区の神田「神保町」といえば、世界に冠たる一大古書店街であり、世の趣味人・知識人を惹きつけてやみませんが、その神保町から、千代田通りを渡ると、街は、「古書店街」から「スポーツ店街」に色を変えます。
そんな「境界線上」のあたりにひっそりと店を開いているのが、眞踏珈琲店です。
まるで隠れ家のような
駿河台下の交差点を、小川町に方向に歩いてすぐに入った路地の中途で、そのお店はひっそりと営業しています。
気を付けなければ、見逃して通り過ぎてしまうかもしれません。
やや重いドアを開けると、左手にカウンターが奥まで伸び、正面には2階への階段が。
こじんまりとした店内が落ち着きます。
コーヒーが来る間、談笑しながら店内を眺めます。壁面には所狭しと、様々な本が並んでいます。
頭上には、ドライフラワーが吊るされて、陰影を浮かべています。
店内には、低い、ヒーリング音楽が流れて、古書店街で棒になった足と、疲れた体を癒してくれる。
そうこうするうちに、コーヒーとケーキが運ばれてきました。
隠し扉が・・・
薫り高い珈琲と、上品な味のケーキを愉しんでいると、ふと、本棚が動きました(!)
なんと、2階の壁面本棚の一部が、隠し扉になっていて、化粧室になっていたのです。
神保町らしい遊び心です。
神保町の喧騒を離れて、「境界線上の喫茶店」で、ゆったりとしたひと時を如何でしょうか。