東京の世田谷文学館で、「小松左京展~D計画」という、SFファンには垂涎の催しが開催されており、さっそく行ってきました!
アクセス:芦花公園駅すぐ!
京王線の芦花公園駅南口を降りて、右方向。
この道を歩いて10分くらいで左手に建物が見えてきます。
会場は2階にあります。
写真撮影は3か所以外NG。
D計画
展示の大半は、やはり展覧会の副題が「D計画」なので、代表作「日本沈没」のものになります。
一番、目を引いたのが、「日本沈没」の映画リメイク企画として「新日本沈没」と「日本沈没1999」が検討されていたことです。
日本沈没の影響で原発事故も発生する複合災害を描こうとしていたらしく。
3.11を予見したような内容ですね。
観たかった・・・。
あと、パンフレットに「D計画」(作中、日本沈没に対する日本政府の極秘計画)の説明がありましたが、Dはディザスター(disaster=災害)のDであると説明がありましたが、
あれ?
D計画って、ディアスポラ(Diaspora=民族離散、ユダヤ人離散)の意味からじゃなかったけ?と。
↑小松左京の書斎机。壁際には日本沈没の進行状況を記載した日本地図が。
猫の部屋
「日本沈没」以外にも、「首都消失」や「さよならジュピター」「果てしなき流れの果てに」「虚無回廊」など、他の作品の展示もあります(生原稿など)。
↑こちら「猫の部屋」。小松左京の愛猫の皆さまのお写真。
おっと、注意してみると・・・・
↑こ、これは!日本沈没作中での禁断の書!・・・「このまま何もせんほうがええ」。
「日本沈没」、日本沈没しなかった問題
写真の撮影が制限されているので、お伝えできる内容が限られてしまい残念ですが、
とにかく、SF好き、小松左京ファンなら行って損はないかと思います。
さてさて、展覧会から離れた独り言を。
「日本沈没」。映画化を二度されていますが、2006年のリメイク版だと、日本列島、沈まないんですよねー。
途中で、架空の大量破壊兵器の発破を使って、列島の日本海溝への「滑り」を止めてしまうんです。
うーん。これだと、日本人が国土を喪失しても、日本人が日本人足り得るのか?即ち「日本人」とはなにか?という哲学的問いが曖昧というか、ぶっちゃけ無くないか?と思ってしまうわけです。
あと、なぜ核兵器ではなく架空の大量破壊兵器だったのかも解せません。
第二のディアスポラで、第二のユダヤ人となった日本人の運命という暗いエンドロールはリメイク版にはありません。