映画「8人の女たち」(フランソワ・オゾン監督)~綺麗な花には棘がある【名作紹介】

2002年(仏)、フランソワ・オゾン監督

あらすじ

1950年代、フランス。

大雪に見舞われた郊外の大邸宅、クリスマス・イブの朝、その家の当主マルセルがナイフで刺殺されたまま発見される。

邸内には、彼と関わりのある女性ばかり8人。

外部との往来も警察との連絡もつかないまま、雪に閉ざされた大邸宅の中で、8人は自分たちで、犯人捜しを始めるのだが・・・。

クローズドサークルに集まる大女優

いわゆる「閉ざされた山荘」的なクローズドサークルのミステリー作品です。

そう言ってしまうと、ありきたりなのですが、なにせ、登場人物が凄い!

フランスを代表する大女優から、(当時の)新進気鋭の若手女優まで、よくぞ、これだけ集めた、と。

戦前からの大女優ダニエル・ダリュー(当時御年85歳!)を筆頭に、ファニー・アルダン、イザベル・ユペール、そしてカトリーヌ・ドヌーヴ!

名前を並べているだけで豪華さが伝わるような顔ぶれです。

これだけ大女優を集めれば、ただでは済みません。

歌って踊って

邸内の様子や出演者の衣装が「総天然色」と形容したくなるカラフルな色彩で演出されていて、「女の子が憧れるヨーロッパの邸宅」の雰囲気を見事に再現してくれています。

そしてそれに花を添えるのが、登場人物全員が、ひとりひとり、歌とダンスを披露するという仕掛け。これにより、本作はミュージカル・ミステリーとなっています。

各人の人柄・内面を反映した選曲がされています。ある人は情熱的に、ある人はコミカルに、ある人は官能的に・・・。

個人的には、ファニー・アルダン(主人の妹)とエマニュエル・ベアール(メイド)のそれが好きです。

あなたは誰がお好み?

美しい花には棘がある

とても華やかな顔ぶれに、うっとりしてしまいそうですが、物語はそれを許しません。

推理や証言を集め、彼女らの「ささやかな秘密」が曝露されていく内に、表の華やかさとは全く別のものが顔を覗かせてきます。

8人の中でホームズ役となる長女(演:ヴィルジニー・ルドワイヤン)も例外ではありません。

そんな「美しい泥沼劇」の果てに、やがて、8人の前に思いもよらぬ真実が・・・。